2021/08/05日記

人の言葉を借りて文章を書く。

こんな気持ちのこと、人はなんていうんだろうか。
しんとした夜に、サーキュレータを回さなければ汗が滲むような空気はあまりに大きく、音を遮っている。静かですね。あまりにも。凪という言葉をさっき使ったからだとおもう、
ああ。

あの人の言動に振り回されることも少なくなってしまったけれど、なんだか、暗くて冷たいものが、心を浸している。自分ですら触れない深いところに置いてきたみたいだ。静かで、穏やかで、そして寂しい。小さな落胆を繰り返して、今、諦めようとしているのに、まだ、ずっとずっとずっと、期待している自分に気づく。もうやめようとへたり込む自分が見える。疲れたんだよ。ほんとにそうだね。私は祈る。傷が治るように祈る。傷つくまいと祈る。色々なことが霞んでいく。自分の周りに膜をはったのは自分だと気づく。ほんとうに孤独なとき、人は傷つかないんじゃないかとおもう。

深く暗く冷たく静かに何も感じない何も聞こえない何も届かない。
君の温度も君の声も君の気持ちも、記憶も言葉も、遠ざかる。
「モントークで会いましょう。」
素晴らしい結末もいらなくなった。
そんなの言ったことないよ、どう言えばいいのか分からない、諦めに区切りをつける、言葉が、喉が締まる、その言葉だけ声にできない。
ただ、砂に埋まるのを待つ。海に沈むのを待つ。色褪せてゆくのをただただ眺めている。